​補助人工心臓(VAD)​

​みんな知りたい!

補助人工心臓とは、弱ってしまった心臓にかわって人工的に全身に血液を送り出すサポートをしてくれます。

左心室から人工心臓につながる脱血管が接続され、人工心臓のポンプが力強い血流を作り出し、大動脈に人工心臓の送血管が接続され、全身へ血がめぐります。

言葉で簡単に説明するとそういうことなんですが、多分意味わからないと思うので図解を。

​非常にわかりやすい絵だったので掲載させていただきます。

​日経デジタルヘルスより引用

補助人工心臓の​植え込み手術は結構大手術で、かなり体力を消耗するので、まだ体力に余力がある時に装着してしまうのが理想的です。

心臓だけでなく、他の臓器にも障害が及んでいると、術後に回復する体力が、障害された臓器に力を取られて、術後の全身ヘトヘト状態から回復して、身体を動かすリハビリに移るまでに長い期間を要します。

機械を心臓にしっかり縫い付けないといけないので

手術は心臓を止めておこなわれます。

心臓を止めるために人工心肺に接続して、全身の血液が心臓ではなく人工心肺にながれて、全身の血流をキープさせます。

​人工心肺の接続は両足の鼠径部(足の付け根)からおこなわれます。

心臓止める!?こわっ!

​安心してください。こんな感じです。

​メディカルノートより引用

(その他、病気や手術について丁寧に説明してくれているサイトです。)

https://medicalnote.jp/contents/150430-000001-YXKCIR

図では回路がそのまま心臓にぶっ刺さっているように見えますが、

実際は両足の付け根の太い血管から管を入れて心臓の手前(大動脈・大静脈)まで到達させて、カテーテル先から脱血・送血します。※首の血管からアプローチすることもあります。

機械が、心臓と肺の役割をしてくれて、その機械の管理は臨床工学技士や看護師などさまざまな職種のスタッフが常に観察しながらおこなうことで、安全な心臓手術を提供してくれています。

さあ、いよいよ補助人工心臓を入れます。補助人工心臓をいれるために、胸の真ん中をメスで切ります。

そして肋骨が邪魔になるので、肋骨も開きます。

心臓の下に補助人工心臓が入る隙間をつくってポンプを付け、脱血管・送血管を心臓に接続します。

これで植え込み完了!

人工心肺に流れている血流を、徐々に心臓と補助人工心臓に転換して、心拍を再開させます。

あとは、手術で出血した部位を止血して胸を閉じます。

術前から術中に使う薬(ワーファリン・ヘパリン:心機能が低下すると血栓ができやすいので使用することが多いです)のせいで、

血が止まりにくいので、輸血をしながら止血して……を繰り返して、ある程度落ち着いたらドレーン(閉胸後も出血してくるのでそれを排出するための管)を入れて終了です。

手術時間はおよそ6時間〜10時間です。

​私は止血に時間がかかったので、11時間でした(汗)

術中・術後の様子はこんな感じです。

​赤い線で示されているのが傷口です。

こんな感じで線だらけになっています。

​これに加えて、心電図のシールが胸に、SpO2のモニターが指につけられています。

人工呼吸器は、手術が終わって全身の循環の状態を考慮しながら、全身麻酔を覚まして、1日〜数日後にはずされます。

人工呼吸器が外されてから数時間後に飲水テストをして、むせなければ、胃管チューブも抜きます。

​水を飲んだりご飯を食べたりすることができます。

持続的に出血を吸引しているドレーンは、出血が少しずつ減ってきて、ほぼ出なくなってきたら一本ずつ抜いていきます。(1週間〜2週間くらい)

動脈血ラインは、心臓の薬(カテコラミン)が少なくなって呼吸や血圧が安定していたら抜きます。

カテコラミンがなくなったらCVも抜きます。

​術後2週間くらい経つと、術後の痛みをコントロールしながら、怒涛のリハビリがはじまるので、おしっこの管も抜きます。

気合いでトイレに行かされます。

…えっ?術後の痛み?

​術後は強い鎮痛作用の麻薬を使って、痛みを抑えるので、そんなに痛み気にならない〜っていう人もいたんですが、

私はめちゃくちゃ痛かったです!!

手術で折った肋骨も痛いし、背中も痛いし、補助人工心臓を無理やり体の中にスペースを作って入れているせいか、いろんな臓器が押しつぶされている感じがして苦しかったし。

麻薬がはいっている時も痛かったし、吐き気が酷くて麻薬を切って鎮痛剤の点滴や薬に切り替えてもめちゃくちゃ痛かったし、

ほんと地獄みたいな日々が1ヶ月続きました……。

© 2019 by DCM nurse Haruka

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